介護福祉士養成施設 外国人留学生の入学者1.7倍に ネパール人は前年の3.5倍の1311人
2024年度の介護福祉士養成施設への外国人留学生の入学者数が、前年の1.7倍となる3054人に達し、日本人入学者数の3084人とほぼ同じ規模となった。日本介護福祉士養成施設協会が9月30日に発表したもので、外国人留学生の増加が3年ぶりに全体の入学者数を押し上げたかたちとなっている。
外国人留学生が急増、日本人入学者とほぼ同数に
前年の367人から3.57倍に増加したのはネパール人で、外国人留学生全体の43%を占める1311人という結果となった。続いてミャンマー、ベトナム、中国からの学生が多く、2024年度は20カ国から留学生が入学しており、いずれもアジア諸国からの来日が目立っている。アジア以外では、ブラジル、メキシコからの留学生も入学している。
なお、日本人の入学者は前年より21.5%減少しており、外国人留学生と日本人学生の入学者数がほぼ拮抗する結果となった。
日本語学校を経て介護福祉士を目指すネパール人学生 日本介護福祉士養成施設協会によると、ネパール人学生の多くは日本語学校を経て入学しており、来日後に介護福祉士を目指すケースが多いとされている。ただし、2024年度にネパールからの学生が急増した理由については、現時点では明らかになっていない。その他の国からの入学者数は増加が緩やかな傾向にある中で、ネパールからの増加が突出しており、今後の動向も注目されている。
今後の展望
コロナ禍の影響が和らぎ、外国人留学生の増加により、日本の介護福祉士養成施設における人材の多様化が進んでいる。2024年度は全体の入学者に占める外国人留学生の割合が46.7%に達し、介護人材の確保に大きな影響を与えている。今後もこの傾向が続くと予想されるが、日本人入学者の減少が続く中、この先、人材確保の取り組みがさらに求められるだろう。
構成・文/介護ポストセブン編集部